お金の返済は、計画通りに進めば問題ありませんが、予想に反して出費がかさんだり、つい無駄遣いに走ったりすると、期日までの利息払いができず、また別のどこかで借金してつなぎ止める。そんなことが日常茶飯事に繰り返されると、完済はますます遠のきます。
お金を返すための借金を繰り返す。そんな自転車操業で急場をしのいでいる人は、今一度返済計画を立て直す必要があります。ここでは、キャッシング利用でありがちな失敗、自転車操業について解説します。
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自転車操業とは
自転車操業という言葉は、よく商売の世界で使われます。とりあえず今日一日の売り上げを出すために、銀行からお金を借りて工場を稼働させる。工場を動かすたびに、お金を借りて運営していますから、借金が消えることはありません。倒産寸前の会社や飲食店が、青色吐息の状態で事業運営することを、俗に自転車操業といいます。
自転車操業は、キャッシングの世界でもよく用いられます。キャッシングでお金を借りたのはいいけど、返す分のお金が足りず、別のところでまた借金…というように、いろんなところに借金先を作ってその場をしのいでいく、危険な綱渡り状態を自転車操業という言葉で表現されます。
社会問題となり法改正へ
自転車操業は、貸金業法が改正される前、つまり2010年以前は、深刻な社会問題としてマスコミでも取り上げられていました。経済苦などで借金をし、期日までに返済できない分を別の消費者金融で借りてつなぎ合わせる。そうして雪だるま式に借金がかさみ、会社の倒産や一家心中など、悲惨で不幸な事件を引き起こす原因ともなりました。
貸金業法の改正により、金利も20%までと明確に上限が設定され、借入額も年収の3分の1までと、無制限の借り入れができなくなりました。今の法律では、そう簡単に自転車操業できる仕組みではありませんが、悪質なヤミ金業者も存在するため、自転車操業しないためには自制も必要です。
自転車操業の怖いところ
免疫とは、医学の世界ではいい意味で使われます。体の中で免疫が生まれると、病原菌が体内に侵入しても耐性ができ、簡単に病気になることはありません。
自転車操業に陥りやすい人は、悪い意味でこの免疫ができてしまっている人です。お金を借りることに抵抗を感じず、返済も借金も軽い気持ちで考えているから、同じ失敗を繰り返してしまいます。
お金を借りれば再度利子が付きますから、結果的に借金の額は増えることとなります。その日の利息を支払うことだけが目的となり、肝心の「完済」という目標にたどり着けなくなってしまうのです。
自転車操業の怖さはそれだけではありません。借金返済のために借金する、つまり、つなぎ融資というものですが、この場合、貸し付けられる利息は通常より高めに設けられます。つなぎ融資をするような人は、基本的に返済リスクを抱えているので、貸し付ける業者側も高利息で対応するしかないのです。
通常より高い利子でお金を借りれば、借金の返済を遠のかせるばかりです。簡単に返せると思っていたキャッシングの返済が、いつの間にか出口の見えない迷路にはまり込んでいた、なんてことにならないためにも、自転車操業は避けたほうがいいのです。
こんなときは要注意
キャッシングでお金を借りるといっても、総量規制という制度がありますので、無茶な借入はできません。自分の年収に応じた借入しかできませんので、つい軽い気持ちでキャッシングを利用する人も多いでしょう。
キャッシングの場合、月々の返済もそれほどかかりません。月々5千円くらいでしたら、よほど無計画な消費をしない限り、返済は可能でしょう。基本的に返済を真面目にやっている人ほど、信用も悪くないので、少額であれば別の消費者金融からまた借りという方法も選べるわけです。
しかし、軽い気持ちで借金を繰り返していけば、月々の返済は可能でも元金の返済は終わらず、完済まで遠い道のりを要してしまいます。最初に完済するという強い意志が必要といえるでしょう。
おまとめローンの利用
自転車操業をして債務が重なった場合、おまとめローンを活用するのがおすすめです。おまとめローンとは、複数のキャッシング会社から借り入れた債務を、特定の一社にまとめて返済を合理的にする方法です。
借入先が2社、3社にとどまらず、それ以上の業者にまたがってしまうと利息の計算も最終的な返金額も、返済期日もバラバラで複雑になり、返済計画もまとまらなくなってしまいます。そうした事態を解消するためにもおまとめローンは便利な借金解決方法です。
おまとめローンだと、返済先も一本化されるうえ、返済日も月に一度、金利も固定されて返済計画も立てやすくなり、完済までのゴールが視界良好となります。返済計画がクリーンになると借金を返す意欲も生まれます。新たな気持ちで返済に取り組めるのではないでしょうか。
まとめ
つい目先の解決に走って自転車操業に手を付けてしまいがちですが、最終的に元金まですべて完済しなければ終わりになりません。気持ちよくキャッシングをご利用したいのであれば、自転車操業など複雑な返済方法に頼らず、最初に立てた返済計画を守り、おまとめローンなどを上手に活用するようにしましょう。