グレーゾーン金利は2010年の貸金業法以前まで、キャッシング業界で施行されていた、本来違法であるのに罰則がなかった数字帯の金利です。
グレーゾーン金利が生まれた理由や、現在でもグレーゾーン金利はあるのか等説明いたします。
※本ページにはPRが含まれます。
目次
グレーゾーン金利はどうして生まれた?
グレーゾーン金利は融資に関する金利を決める二つの法律が原因で生まれました。
一つは「利息制限法」で、上限金利を20.0%までとし、20%を上回る融資に対しては返済義務がないと規定しました。
しかし、債務者が任意で上限金利を上回る金利でお金を借りた場合には、みなし弁済が認められ、合法な融資を認められることになりました。
もう一つは「出資法」で、こちらは上限金利を29.2%と規定し、上限金利を超えた場合には業者に刑事罰則が科せられるようになりました。
両者の定める上限金利は、20.0%と29.2%と大きな隔たりがあり、この間に生まれた隙間がグレーゾーン金利と呼ばれるようになりました。
グレーゾーン金利は違法なので、法律的には無効とされていますが、債務者が同意してしまえばみなし弁済が成立するので、キャッシング業者の多くがグレーゾーン金利で融資を行いました。
出資法で定められている29.2%を超えなければ、刑事罰則も業者に科せられないので、強気でグレーゾーン金利が設定されていたのです。
貸金業法の改正によって廃止へ
グレーゾーン金利は現代の感覚で考えると非常に高く、当時の利用者の多くが多重債務に陥り、債務整理や破産まで追い込まれました。
社会問題として消費者金融問題もメディアで取り上げられるようになり、金利を設定する二つの法律を合致させる動きが強くなりました。
結果、2010年には新しい貸金業法が制定され、グレーゾーン金利である20.0%以上の融資に対しては、厳しい刑事罰則が設けられたのです。
また、過去のグレーゾーン金利での融資に対して、過払い金請求も認められることになり、キャッシング業者には多額の過払い金の返還請求が押し寄せ増した。
当時、消費者金融業界最大手であった「武富士」が倒産まで追い込まれるなど、貸金業法の改正によってキャッシング業界は大きく変わったのでした。
グレーゾーン金利以外にも総量規制が制定
貸金業法の改正によって、グレーゾーン金利以外にも総量規制が制定されました。
総量規制とは年収の3分の1を超える額の融資を禁止した法律で、多重債務や債務整理まで追い込まれる人たちを減らすために作られました。
年収を基準に設定されたルールなので、収入のない専業主婦の方は消費者金融などの貸金業者からお金を借りることが出来なくなりましたが、総量規制によって借りすぎてしまう人が減ったのも事実です。
現在のキャッシング業者の金利は?
現在のキャッシング業者の金利は、もちろんグレーゾーン金利ではなく、貸金業法で定められた20.0%以内で融資を行っています。
返済が遅れた際に支払う遅延損害金も、利率20.0%までと決まっており、昔と比べて10.0%近く金利が下がったことになります。
大手の消費者金融業者は、法定金利の20.0%ではなく、18.0%付近で金利を設定しており、中小の消費者金融でも20.0%以内でお金を貸し出しています。
銀行カードローンはもっと低金利
消費者金融とくらべて、銀行カードローンは資金の調達も容易なので、更に低い金利でお金を貸し出しています。
また、貸金業法は消費者金融などの貸金業者を対象にしているので、銀行には適用されません。
総量規制の問題から融資を受けられないと困っている方も、銀行からであればお金を借りることが出来るのです。
グレーゾーン金利が撤廃されてから、キャッシングは利用しやすい手軽なサービスになりました。
ただし、いくら金利が下がったからといって、借りすぎたのでは利息はどんどん大きくなるのでご注意を。